編集部ブログ

歴史

2021.08.31

『THE NEW KOREA』再発見(8)

今から111年前(1910年)に日本と韓国は併合しました。併合は日韓双方には決定的な変化をもたらしました。現代まで続く日韓問題の根本にこの日韓併合があるのは間違いのないことです。その実態はどうであったのかを知る上で重要な書籍が併合の16年後(1926年)に発売されています。『THE NEW KOREA』と題されたこの書籍はイギリス人の学者、アレン・アイルランドが書いたものです。アイルランドは当時、著名な植民地学者であり、新聞王のピューリッツァーの秘書でもありました。アイルランドは韓国を訪問し、現地の韓国人、日本人、外国人から直接話を聞き、朝鮮総督府の公開資料などを元に併合の報告をまとめました。アイルランドは日韓併合によって劇的に変化した政治、経済、社会を冷静に分析しています。著書の冒頭ではアイルランドはまず朝鮮半島を地政学な視点でとらえています。「朝鮮半島は極東の諸問題にとって絶えず重要な位置にあることを運命づけられていた。その立地条件により、朝鮮の未来は周辺諸国の未来と切っても切れない結びつきを運命づけられているのである」。現代にも通じる朝鮮半島の不安定さが日韓併合の直接的な要因となったという非常に重要な指摘しています。『THE NEW KOREA』は韓国でも翻訳され発売されています。日韓双方にとって、また真の日韓友好に向け、併合がどのようなものであったの知る上でこの本は貴重な示唆に富んでいます。

2021.08.09

伝説の零戦パイロット原田要氏から次世代へ熱いメッセージ

 戦争体験、終戦記念日に特に興味なし、という若い人たちが増える中、次の平和な世を作るためにこそ、戦争体験を語り継がなければ、と色々なプロジェクトが進められています。当社では、2003年発刊の『日本人はとても素敵だった―忘れ去られようとしている日本国という名を持っていた台湾人の心象風景』を皮切りに、シリーズ日本人の誇り①~⑩を出版しています。台湾、インドネシア、フィリピン、スリランカ、朝鮮、日本で戦前・戦中・戦後を生き抜いた人々が、率直に実体験を語った本です。2011年発刊のシリーズ⑨「零戦(ゼロファイター)老兵の回想―南京・真珠湾から終戦まで戦い抜いた最後の生き証人」(原田要 著)も今も読み継がれているロングセラーです。

その原田氏の次世代に送るメッセージ、本書<前書き>ホームページで公開しました。https://www.sakuranohana.jp/books/9784434162121/

2021.05.25

鎮魂 6月5日ミッドウェー海戦

 後手後手に回るコロナウイルス感染症対策、遅々として進まないワクチン接種の現状に、皆が「もやは日本は先進国ではないのでは」という危惧を感じています。東京五輪はどうなるのか? いやどうするのか? 今こそ、日本人の決断力が問われています。『零戦(ゼロファイター)老兵の回想―南京・真珠湾から終戦まで戦い抜いた最後の生き証人』で著者の原田要氏は、ミッドウェー海戦について「直衛隊をまとめる総指揮官がいてくれたならば」と語っています。

2021.05.10

台湾海峡の平和が世界の焦点に!なぜ台湾は超親日国なのか?

 2021年4月16日、日米首脳会談が行なわれました。米バイデン大統領が就任後対面で行なう初めての首脳会談であることで注目を集めましたが、その共同声明に、およそ半世紀ぶりに台湾の文言が盛り込まれました。また、2020年、新型コロナウィルス感染初期に、マスクの在庫がリアルタイムで確認できるアプリ「マスクマップ」を若き官僚、オードリータン氏が開発し、あっという間に感染症対策に成功し注目を集めました。オードリータン氏の優れた資質と、それを抜擢した台湾政府の優秀さが光りました。それもそのはず、最新の世界デジタル競争力ランキング(スイスの国際経営開発研究所(IMD)調べ)では、台湾11位、日本27位です。何かと話題の台湾は、大変な親日国です。台湾は、東日本大震災の時、どの国よりも早く助けに来てくれ、250億円以上の義援金を寄付してくれました。また2020年4月、マスク不足で世界中が大騒ぎになったとき、 台湾は日本にサージカルマスク200万枚を無償で提供してくれました。台湾と日本はいつも、震災の際は互いに援助しあい友好を深めてきました。なぜ、台湾がこれほど親日なのでしょうか? 『日本人はとても素敵だった』を読むと、その歴史的背景が分かります。著者の楊 素秋さんは、戦前の日本統治時代に生まれ育ちました。

2021.04.08

『THE NEW KOREA』再発見(7)

朝鮮総督府が1932年に発行した『外人の観たる最近の朝鮮』という本があります。これは朝鮮を視察に来た5人の外国人の報告をまとめたものです。総督府は日韓併合(1910年)が諸外国からどう見られているかを注視していたようです。この本は必ずしも日本の朝鮮統治を称賛する目的で出版されたものではなく、本の中で通訳の小田安馬は「外人の忌憚なき感想を有のままに紹介することは又以て他山の石と為すべく…」と書いています。巻末には総督府書庫が所有する朝鮮について書かれた洋書のリストがあります。この中には桜の花出版から翻訳出版されている、『1907』、『朝鮮はなぜ独立できなっかたのか』、『THE NEW KOREA』が入っています。それぞれ異なる時代、立場が違う3人の著者が見た日韓併合に関する重要な記録です。世界を実際に見て体験していた、欧米の宣教師や学者は朝鮮で何を観たのか。現代の日韓問題に通じる、非常に重要な論点が当時からすでに語られています。当時の総督府も翻訳して参考にしていたと思われる、貴重な記録が現代に蘇りました。

2021.02.05

『THE NEW KOREA』再発見(6)

1910年の日韓併合について両国の専門家や一般市民は様々な意見を持ち、論議がされてきました。日韓問題の根底に日韓併合があるのは間違いないことです。日韓併合から110年経過したわけですが、当時を知る人はほとんどいないというのが現実です。実際、タイムマシーンに乗って、当時の韓国や日本を見たいと思うことがあります。彼らはどんな生活をしているのでしょうか。そして、日本人と韓国人はどう関わっているのか。知りたいことは山とあります。残念ながら実際に当時を見ることは不可能ですから、当時を知る人の証言、文献が一つのヒントとなると思います。

そこで推薦する記録は、併合から16年後に英国人の植民地研究家であるアレン・アイルランドが書いた書籍『THE NEW KOREA』です。日韓問題について感情的な議論が多くなってしまうのは仕方がないことだとは思います。しかし、冷静に当時を知る人の記録を読むことは日韓双方にとって重要なことです。また、同時期に世界ではどのようなことが出来事として起こっていたのかを知る必要もあります。著者のアイルランドは世界40カ国を旅し、各国の政治・社会を分析してきました。そして、韓国で総督府の記録を読み、韓国人、欧米人、日本人の話を聞き、日本の統治について何が起きたのかを記録をしました。『THE NEW KOREA』は日韓問題を語る上で必読書であり、他では語られていない貴重な情報が満載です。

2020.12.24

歴史的瞬間を捉えた1枚の写真

日韓併合時代の韓国・朝鮮はどんな社会だったのでしょうか。そこに暮らす韓国人、日本人はどのような生活をしていたのでしょうか。現在、日韓で語られる併合時代は慰安婦、徴用など苦しい体験ばかりに焦点が当たっています。しかし、実際に併合時代を生きた人にその実態を聞きたいという思いは強くあります。日韓併合から110年(終戦から75年)経過し、当時を知る人はほとんどいないと思われていました。2014年、日韓併合時代の12年間を韓国の江原道で役人として務めていた、西川清さん(当時99歳)にインタビューすることができました。その証言内容は戦後の日韓メディアで語られてきたことと大きく異なるもので衝撃的でした。詳しくは『朝鮮総督府官吏 最後の証言』を読んで頂ければと思いますが、何よりこの本で初めて公開された写真が歴史を証言しています。その写真では、日韓の若者が仲良く肩を組みお花見をしています。また、日韓合同の野球大会をしている様子が写っています。皆さんはこの写真を見た時、どのような感想をお持ちになるでしょうか。

2020.12.17

『THE NEW KOREA』再発見(5)

イギリス人の植民地研究学者、アレン・アイルランドが日韓併合を分析した『THE NEW KOREA』(1926年)は併合から16年後に出版されました。アイルランドは1910年の併合時からの変化を様々な点から分析しています。併合に関する重要人物として、具体的な日本人の名前も何人か挙げています。特に第三代の朝鮮総督である、齋藤實総督の手腕を高く称賛しています。齋藤實総督は第五代の朝鮮総督も務めた後、第三十代内閣総理大臣に就任しています。アイルランドはこの本の内容について、「齋藤朝鮮総督の賢明で思いやりのある指揮の下に発展してきた新しい朝鮮について語っている」と記しています。また、アイルランドは日本の朝鮮統治に批判的だった現地のメソジスト教会のハーバート・ウェルチ監督の記事を紹介し、日本の統治政策が大きく変化したことを指摘しています。「齋藤男爵は高圧的な態度をとる代わりに、寛大で友好的な姿勢をとり続けた。(中略)彼は持ち前の強靭さで、時間をかけ、朝鮮の人々の幸福(繁栄)のために大きな事を成し遂げるだろうと私は信じている」 。

2020.11.26

日韓併合中の12年間を朝鮮で過した地方行政官が重要証言

2020年、日本では新政権が発足し、アメリカの大統領は交代しました。世界は新型コロナの混乱を越えて、新たな日常へと刻々と変化しているように思えます。しかし、この世界的な大きな変化の中で関係が硬直したままなのが隣国、韓国との関係です。日韓のメディアで取り上げられる象徴的なキーワードは、慰安婦、徴用など日韓併合時代に関わることです。編集部ではその当時の実態を知る証言者にインタビューすることができました。日韓併合中の12年間(1933年~1945年)を朝鮮で過した西川清氏の証言をまとめたのが『朝鮮総督府官吏 最後の証言』です。本書で西川氏は朝鮮・江原道の地方官吏(役人)として、慰安婦、徴用などについて重要な証言しています。朝鮮の発展を心から願い、朝鮮人と苦楽を共にした西川氏。朝鮮を第二の故郷とする西川氏は真の日韓友好を願っていました。今こそ日本と韓国、そして世界はこの証言者の言葉に正面から向き合うべきでしょう。

2020.10.22

『THE NEW KOREA』再発見(4)

 日本と韓国が併合されて16年後の1926年、ニューヨークの出版社から一冊の本が出版されました。黄色いハードカバーにタイトルは『THE NEW KOREA』と書いてあります。著者は英国人の植民地研究家で、ピューリッツァーの秘書でもあった、アレン・アイルランドです。これまでに、アフリカ・アジアの植民地に関する詳細なレポートを出版してきたアイルランドがその生涯で最後に出版したのが『THE NEW KOREA』です。内容は日韓併合によって韓国の政治、経済、教育、医療、産業などの分野がいかに変化したかということを比較・分析したものです。興味深いのはアイルランドが日韓併合による変化を分析することに徹底し、政治的な問題に対する私見は極力排している点です。読者としては、世界の植民地政策を40年近く研究したアイルランドに日韓併合の是非を語ってもらいたいと思うのですが、そこはさすがにしっかりとした理由を述べています。これはもう名文と言ってよいと思いますが、序文であえてその議論を避けた理由が書かれています。現代にも通じる内容で地政学などを用いて日韓関係を鋭く分析をしており、大変興味深い部分です。是非、この序章だけでも読む価値はあります。このリンクはアレン・アイルランドの死亡記事です。短いですが、どのような人物だったのか知る事ができます。

2020.09.03

『THE NEW KOREA』再発見(3)

 イギリスの著名な植民地研究家であるアレン・アイルランドが日韓併分析をした、『THE NEW KOREA』(1926年)は意外なことに日本語版よりも韓国語版が先に出版されました。韓国語版は今でも韓国大手通販サイトで購入することができます。『彼らが見た私たち―Korea Heritage Books』シリーズ全27冊の第7巻に『THE NEW KOREA』は収められています。このシリーズは16世紀から20世紀半ばまでの西洋人が記録した歴史的に貴重な韓国論を出版している意欲的な企画です。日韓の歴史的なつながりを知るうえでも大変興味深いシリーズです。第1巻はルイス・フロイス(1532-1597)です。フロイスは織田信長や豊臣秀吉と会見し、戦国時代研究の貴重な資料となる『日本史』を記したことで有名です。

そのフロイスの死後から313年後の1910年に日韓は併合されました。『THE NEW KOREA』は併合からさらに16年後の記録です。著者であるアイルランドは可能な限り客観的なデータを引用し、世界を40年間視察した経験を元に日韓併合を分析しました。また、欧米の植民地との違いを深く考察しています。『THE NEW KOREA』が現代の韓国でどう評価されているか、一般の韓国人の反応はどうであるか、日本人として知りたいところです。韓国の毎日経済が2009年に掲載した書評がありますので、興味がある方はネットで検索すると読むことができます。日韓友好のために『THE NEW KOREA』は避けて通れない貴重に歴史的な記録となっています。

2020.07.09

『THE NEW KOREA』再発見(2)

 『THE NEW KOREA』には興味深い点が数多く存在します。ちょっとしたことでも、調べてみると面白いことが判明します。例えば、巻頭にある著者名、アレン・アイルランド(Alleyne Ireland,F.R.G.S.)に付けている"F.R.G.S."。これはいったい何でしょうか。朝鮮や日本旅行記などを出版した、イザベラ・バード(1831-1904)も『Unbeaten Tracks in Japan(日本奥地紀行)』で、自分の名前に"F.R.G.S."を付けています。

調べると、イギリス王立地理学協会(Royal Geographical Society)の「特別会員」だけが名前の後に付与できた称号でした。この称号は筆者の社会的地位、学術的立場を表わしたものだったようです。女性初の"F.R.G.S."を授与されたのがイザベラ・バードでした。王立地理学協会は今も存在していますが、特別会員の地位は今と違っていてもっと高かったのではないでしょうか。アレン・アイルランドは約40年間に亘って世界を旅して、その研究成果を発表しました。『THE NEW KOREA』は欧米の植民地と日韓併合(合邦)との違いを比較するものでもあります。『THE NEW KOREA』にはまだまだ新たな発見がありそうです。

2020.06.08

今、こうして生かされていることに感謝

 「89歳、人生なんだってできるのよ!」の著者・奥村正子さんの根幹を作った体験。

それは、1945年5月29日の「横浜大空襲」です。

横浜大空襲では、米軍のB-29爆撃機517機とP-51戦闘機101機による横浜市街地への無差別攻撃により、1万人もの人が亡くなり、30万人以上が罹災したといわれています。

先日、「大空襲に遭ってから、もう75年ですね。私は、あの時、死んでいてもおかしくなかったのに、こうして生かされているのだから、有難いと思って一日一日を大切に生きなければと思ってます」と奥村さんがしみじみと語って下さいました。

横浜大空襲については、著書の中でもページを割いて書かれてあります。そんな奥村さんと、現代の女子高生との興味深いやり取りを本書からご紹介します。ベンチプレス世界チャンピオンとはまた違った奥村さんの一面を垣間見られるかと思います。

2020.06.01

零戦パイロット・原田要さんを偲んで

 弊社より『零戦老兵の回想』と『わが誇りの零戦』の2冊の著書がある

零戦パイロット・原田要さんが99歳でお亡くなりになり、善光寺で「お別れの会」が執り行われてから、

もうすぐ丸4年が経とうとしています。月日の早さには只々驚くばかりです。

生前、原田さんは、戦争は二度とやってはいけないと仰っていました。

同時に、戦争で尊い命を擲った人たちがあったからこそ今の日本の平和があるのだから、

その人たちに感謝しなければいけないとも仰っていました。

在りし日の原田さんを想い浮かべると、原田さんの想いを次代に繋いでいかなければ!!という気持ちがふつふつと湧いてきました。

今日は、原田要さんを偲んで、原田さんの想いを『わが誇りの零戦』の中から紹介したいと思います。

2020.05.28

『THE NEW KOREA』再発見

 『THE NEW KOREA―朝鮮(コリア)が劇的に豊かになった時代(とき) 』の著者、アレン・アイルランド(Alleyne Ireland 1871-1951)の生涯について、日本ではまだ詳しく分かっていないことが多いです。それらを少しずつ調べていくのもこの本の魅力です。アイルランドは「ピューリッツァー賞」を創設した、ジョーゼフ・ピューリツァーの秘書でもありました。1920年に『An adventure with a genius; recollections of Joseph Pulitzer』というピューリッツァーの回顧録を出版しています(2019年に一部映画化されました)。

その6年後の1926年に『THE NEW KOREA』は出版されました。日本語版の表紙で使われている筆者の写真が大変印象的ですが、他の写真はいまのところ見つかりません。あるのはアメリカ人のイラストレーター、アルバート・スターナー(albert sterner 1863-1946)が残した『The traveler』と題したスケッチです。1926年に描かれたもので、まさに『THE NEW KOREA』が発売された年のアイルランドの姿です。その印象的な眼に映った、1920年代の「朝鮮が劇的に豊かになった時代」とはどんなものだったのでしょうか。生涯に亘る研究成果の集大成というべきものが、『THE NEW KOREA』です。イギリス人の植民地学専門家が見た日本と韓国の併合分析。是非、一度読んで頂きたく思います。