編集部ブログ

2020年10月

2020.10.30

『鬼滅の刃』考

映画『鬼滅の刃』が社会現象となり、連日ニュースとなっています。各社とのコラボ企画が目白押し、爆発的な経済効果とか。まずはテレビで放送した映画2本、アニメ番組を録画し第一歩スタンバイOK。しかし、私、少し先端恐怖症ぎみのため及び腰、なのに見出してハマってしまったら…などと要らぬ心配をしています。小学生の「映画が一番良かった。絵が綺麗だった」との感想があり、確かに、ネットに出ている過去の絵柄と今回の映画はかなり違っていそうです。予告編で見た刀の軌道が、葛飾北斎の冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」みたいで個性的ですね。

葛飾北斎の冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」

2020.10.29

がんゲノム医療(最新医療2)

 がんゲノム医療に注目が集まっています。がんゲノム医療は、がんの原因となる遺伝子の異常を調べて「がんの性格」を知ることがまずは第一段階です。その遺伝子異常に対して「どういう治療(薬)が良いか」を提案していきます。これまでの薬物治療は臓器別に行ってきました。肺がんには肺がんの薬という具合です。しかし、がんの原因になっている遺伝子を調べると、肺がんの治療薬が実は乳がんにも使えるという可能性が出てきました。臓器ではなく、遺伝子をターゲットにするという考えです。現在、がんゲノム医療は標準治療がない、または終了したなどの条件を満たす場合に行われています。今後はがんの初期段階、また未発症の段階での発がんリスク検査への適応が期待されます。世界的な遺伝子のデータベース化によって、より精度の高いゲノム医療が実施される日も近いということです。『国民のための名医ランキング2021-2023』では、がんゲノム医療について、慶應大学病院の西原広史教授にインタビューして分かりやすく解説をしてもらいました。今後注目される画期的な治療法です。

2020.10.27

今日から読書週間です

 読書週間は、1924年に日本図書館協会が定めた図書館週間がもとになっているとされています。図書館週間は戦争のために廃止されますが、戦後に「読書週間」として復活し、期間も文化の日をはさんだ2週間となりました。今日は、読書週間の第1日目、読書の日です。

読書推進運動協議会のホームぺージによれば、読書週間は「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という決意ではじまったとされます。

良質な本を読むことは、大げさではなく、人生に豊かさと平安をもたらしてくれるものです。イギリスの大学での研究では、1日に30分ゆっくり読書をするだけで、ストレスが68%も低下するという結果も出ているそうです。

忙しくて読書する暇もないという人も少なくないでしょうが、そういう人こそ読書の時間が必要なのではないでしょうか。

2020.10.23

未知の臓器発見『第四の唾液線』

がん細胞の研究中に偶然に発見!最新の映像化技術で頭部をスキャンした結果、これまでの技術では認識不可能であった新たな「唾液腺」が発見されたとのことです。MRIやCTで、体のすみずみまで分かるようになった気になっていましたが、まだまだ人体は未知の領域だったのですね。発見された臓器は3.9㎝、結構大きく、頭部で新発見というのが驚きです。人体には舌下・喉・耳の下側の3カ所に唾液腺がありますが、新たに発見された唾液腺は、鼻腔と喉の接合部分にあり唾液を分泌し、喉や口を潤しのみこみをスムーズに行なう機能があるようです。

2020.10.22

『THE NEW KOREA』再発見(4)

 日本と韓国が併合されて16年後の1926年、ニューヨークの出版社から一冊の本が出版されました。黄色いハードカバーにタイトルは『THE NEW KOREA』と書いてあります。著者は英国人の植民地研究家で、ピューリッツァーの秘書でもあった、アレン・アイルランドです。これまでに、アフリカ・アジアの植民地に関する詳細なレポートを出版してきたアイルランドがその生涯で最後に出版したのが『THE NEW KOREA』です。内容は日韓併合によって韓国の政治、経済、教育、医療、産業などの分野がいかに変化したかということを比較・分析したものです。興味深いのはアイルランドが日韓併合による変化を分析することに徹底し、政治的な問題に対する私見は極力排している点です。読者としては、世界の植民地政策を40年近く研究したアイルランドに日韓併合の是非を語ってもらいたいと思うのですが、そこはさすがにしっかりとした理由を述べています。これはもう名文と言ってよいと思いますが、序文であえてその議論を避けた理由が書かれています。現代にも通じる内容で地政学などを用いて日韓関係を鋭く分析をしており、大変興味深い部分です。是非、この序章だけでも読む価値はあります。このリンクはアレン・アイルランドの死亡記事です。短いですが、どのような人物だったのか知る事ができます。

2020.10.21

名医にかかるときは

 先日、『国民のための名医ランキング2021~2023』に掲載されている歯科へ行ってきました。数年前は、どこに行けばよいのかわからず、大学病院に行ったことがあるのですが、いまの時期はコロナ対策で急患以外はかかれない状況になっていたので、名医ランキングを参考に選びました。

検査を主にしてもらい、感じもよく、説明も丁寧でこちらの希望もいろいろと話せました。

帰り道で「もう一つ相談しておけばよかった」ということを思い出し、医者にかかる前に気になることをリストアップしておけばよかったなあと少し反省しました。病院を選んで病院に行くまでの過程に気が行きがちですが、こういうことも意外と大事だったりします。『国民のための名医ランキング2021~2023』には病院の上手なかかり方も載っていますので、名医にかかる際は心残りがないように、是非参考にしていただきたいです。

2020.10.20

山の葉が色づく頃となりました

旅行情報雑誌が行った、人気の紅葉スポットを尋ねるアンケートで、山形県蔵王のロープウェイの紅葉が全国1位になったそうです。コロナで遠出は難しい状況ですが、こういう時こそ、自然の美しさに触れたくなります。
ところで、蔵王といえば歌人の斎藤茂吉の故郷の山で、蔵王熊野岳山頂には茂吉の歌碑も建てられています。
「陸奥をふたわけざまに聳えたまふ 蔵王の山の雲の中にたつ」
蔵王の雄大な風景が目に浮かびます。
茂吉は精神科医でもあり、青山脳病院の院長を努めながら、精力的に創作活動を行いました。生涯に詠んだ歌は1万8千首近く、17冊の歌集を発表しています。1953年に70歳で亡くなるまで歌を読み続けたと言われています。
私たちも身近な秋を感じながら、何か歌集を手に取ってみるのも、悪くないのではないでしょうか。

2020.10.13

日本で最初の全身麻酔

 10月13日は、江戸時代の外科医であった華岡青洲が初めて全身麻酔を用いた手術を成功させた日です。1835年のことで、記録に残るものとしては、世界初です。

華岡青洲の話はドラマにもなったりしているので、ご存じの方も多いでしょう。江戸時代に、既にそのような外科手術(乳がんの摘出)が行われていたことは驚きです。しかし、当時の日本で世界に先駆けた医療が行われていたことは、一部の人間にしか知られていなかったのではないかと思います。少なくとも、誰もが全身麻酔の手術を受けられるような状況ではなかったでしょう。医師の情報というものは、今も昔も大変重要なものだと改めて感じさせられます。弊社の『国民のための名医ランキング 』には、希望する人が最善の医療を受けられるようにとの願いが込められています。自分自身や周りの人のためにも、是非手に取ってみてください。

2020.10.08

ホウ素中性子捕捉療法(最新医療1)

2020年6月から「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部がん」について、「ホウ素中性子捕捉療法」の保険診療が開始されました。ホウ素中性子捕捉療法は、がん細胞に選択的に取り込まれたホウ素が中性子を捕捉することにより引き起こされる核分裂反応を利用する治療法です。正常細胞にほとんど損傷を与えず、がん細胞を選択的に破壊することができます。得意な症例は、皮膚から浅い部位にある、手術でがんを取り切ったとしてもがんが周囲の正常組織に浸潤しており、再発を起こしやすい腫瘍です。具体的には悪性脳腫瘍や、周囲に浸潤しやすい種類の頭頸部腫瘍です。再発悪性脳腫瘍については、まだ治験段階ですが、近い将来診療可能となると期待されています。『国民のための名医ランキング2021-2023』では、ホウ素中性子捕捉療法について、京都大学複合原子力科学研究所の鈴木実教授にインタビューして分かりやすく解説をしてもらいました。今後注目される画期的な治療法です。

2020.10.02

日本で世界初、がん光免疫療法承認、新時代到来

がん光免疫療法の新薬アキャルックスが、厚生労働省から製造販売承認を取得したと楽天メディカルが発表しました。いよいよがん治療新時代が始まった!と心躍る気持ちです。治療効果が高く、正常な組織にはほとんど影響がないという『がん光免疫療法』は、患者さんにとって大きな奇跡的朗報です。この治療法の発案者は小林久隆先生、長年アメリカ国立衛生研究所で研究されている日本人です。

楽天メディカルジャパンが開発した同薬は、2019年に先駆け審査指定制度対象品目の指定を受け、2020年3月に条件付き早期承認制度の下で承認申請されていました。異例とも言える速さで、このほど世界で初めて承認されました。この治療法の特徴は、体内の免疫機能である抗原抗体反応を、光を当てることで患部でのみ限定的に行い、非常に効率的にがん殺傷ができることです。さらに、殺傷して細かくなったがん細胞を、免疫細胞が取り込み、がんの情報をゲットした免疫細胞によるがん攻撃力もアップするという多角的な治療法です。今回の承認は頭頚部がんですが、将来的にはがんの8割~9割のがんに有効との予測で、がんが痛みを伴わず治せる時代に手が届きそうです。