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朝鮮はなぜ独立できなかったのか 1919年 朝鮮人を愛した米宣教師の記録

日韓併合の時代、アメリカ人著者が見た朝鮮と日本イザベラ・バードの『朝鮮紀行』より圧倒的に情報量が多く、当時の情勢がよく分かる

1900年代初頭のアジア情勢を分析し、1919年にアメリカで出版された書の本邦初翻訳。ロングセラーであるイザベラ・バード著『朝鮮 紀行』より圧倒的に情報量が多く、当時のアジアの様子がよく分かる、828頁の大作。

著者はアメリカ人のプロテスタント宣教師で神学博士のアーサー・ジャドソン・ブラウン(1856~1963)。著者は、1901~2年、 及び 1909年に朝鮮に赴き、その時の見聞と膨大な資料に基づく研究とを踏まえて、1919年にアメリカで本書(原題「極東の支配」)を 出版した。
著者は、「宣教政治家」と呼ばれ、カトリック・ギリシャ正教会・ユダヤの指導者たち、大統領を含むアメリカの政治家たち、ヨーロッパとアジアの王族、袁世凱などと親交があった。世界中、特に中国とアジア諸国を旅し、歴史の流れも踏まえ世界情勢を丹念に分析している。

弊社から既刊されている『ザ・ニューコリア 朝鮮が劇的に豊かになった時代』、『1907(伊藤侯爵と共に朝鮮にて)』『朝鮮總督府 官吏最期の証言(100歳の西川清ロングインタビュー)』と共に、貴重な一次資料であり、合わせてお読みいただけると、より多角的に当時の様子が理解できる。

本書には日本と朝鮮双方の良い面、悪い面が記されており、日本人にとっては海外からどのように見られていたのか知る良いチャン スとなるだろう。
一方で、著者は、宣教師という立場・見解から逃れることはできておらず、全ての分析が、飽くまでキリスト教的良心を基準として判断さ れていることは否めない。また、著者が参考とした文献の大半が英訳されたものや、外国人によって書かれたものであるため、誤解や誤訳 があったと推測される箇所もある。
しかし、それを差し引いても価値ある資料と言える。

朝鮮はなぜ独立できなかったのか
  • 著者:アーサー・J・ブラウン
  • 編集:桜の花出版編集部
  • 定価:4,400円(税別)
  • ページ数:828ページ
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10:4434215736
  • ISBN-13:9784434215735
  • 発売日:2016/2/6
  • サイズ:20.8 x 14.8 x 4.1 cm
  • 発行:桜の花出版/発売:星雲社

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朝鮮を愛し自主独立を願いながらも、日本による統治は避けられなかったと結論づけた理由とは

著者は、朝鮮人を心から愛しており、本書の至るところでその気持ちをくみ取ることが出来る。著者は次のように述べている。

「(日露戦争での)日本の勝利は、日本だけでなく、朝鮮、中国、そしておそらく世界に新しい時代をもたらし、極東政治の形勢を 一変した。日本は、第一級の大国の一員として認められ、あらゆる場所で、ロシアの威光は弱まった。それは日本の指導下で、朝鮮が再建 されることを意味した。そして、人類の3分の1以上を占める極東の大勢の人々が、ロシアの有害な絶対主義の影響に呑(の)み込まれて しまうかもしれないという恐怖を、消し去ったのである。
私には、ロシアを否定することで、日本を称賛しようという意図はない。しかし、日本が極東でロシアの進出を食い止めたことは、日本が 西洋と接した半世紀の間に、ロシアが5世紀かけてなした発展よりも、もっと決定的に重要な進歩を成し遂げたということである。日本は 完璧からはほど遠いが、朝鮮と満洲南部がロシアではなく日本の影響下で発展することは、人類にとって良いことだった」(本文234頁 参照)
当時の欧米人の大方の眼にはそう映っていたことは、近代史を学ぶ上で極めて重要な視点である。

本書が、古来から現代に至るまでの複雑な日朝(韓)関係理解の助けとなり、日朝(韓)の真の友好関係構築の一助となることを心より願って いる。

目次

序文

《第一部》  極東の戦略的拠点である朝鮮
第一章  朝鮮の国土
第二章  古き朝鮮の消え去りし日々
第三章  朝鮮の人びと
第四章  朝鮮の風俗・教育・文学
第五章  朝鮮人の宗教的信仰
第六章  内陸部の散策

《第二部》  朝鮮獲得の紛争
第七 章  対立する日中の主張と日清戦争
第八 章  ロシアの朝鮮獲得の努力
第九 章  日露戦争
第十 章  ロシア敗北の原因と結果
第十一章  ポーツマス条約と日英同盟
第十二章  日韓併合
第十三章  極東問題の要因としての満洲

《第三部》  極東の権威としての日本
第十四章  日本と日本人
第十五章  基礎的な国の特徴
第十六章  軍事力としての日本
第十七章  日本の商業発展
第十八章  日本の専制政治と民主政治
第十九章  社会と経済の状況
第二十 章  日本の教育
第二十一章  日本における仏教と神道
第二十二章  日本の朝鮮統治の特徴
第二十三章  朝鮮での日本統治の有益性
第二十四章  売春と麻薬
第二十五章  日本とアメリカ
第二十六章  日本の立場への世界戦争の影響
第二十七章  深まる中国問題
第二十八章  日本とシベリア

《第四部》  極東の問題におけるキリスト教宣教師
第二十九章  キリスト教伝道団の影響
第三十 章  朝鮮におけるローマカトリックの伝道
第三十一章  朝鮮におけるプロテスタントの布教活動
第三十二章  朝鮮のキリスト教徒
第三十三章  朝鮮人の宗教的な思想類型と問題
第三十四章  朝鮮における政治と宣教師の問題
第三十五章  日本のナショナリズムとミッションスクール
第三十六章  カトリックとロシア正教の日本における布教活動
第三十七章  日本に於けるプロテスタントの布教活動
第三十八章  日本人の宗教的思想の傾向
第三十九章  日本の急務に関する日本側の証言

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