編集部ブログ

2021.04.08

『THE NEW KOREA』再発見(7)

朝鮮総督府が1932年に発行した『外人の観たる最近の朝鮮』という本があります。これは朝鮮を視察に来た5人の外国人の報告をまとめたものです。総督府は日韓併合(1910年)が諸外国からどう見られているかを注視していたようです。この本は必ずしも日本の朝鮮統治を称賛する目的で出版されたものではなく、本の中で通訳の小田安馬は「外人の忌憚なき感想を有のままに紹介することは又以て他山の石と為すべく…」と書いています。巻末には総督府書庫が所有する朝鮮について書かれた洋書のリストがあります。この中には桜の花出版から翻訳出版されている、『1907』、『朝鮮はなぜ独立できなっかたのか』、『THE NEW KOREA』が入っています。それぞれ異なる時代、立場が違う3人の著者が見た日韓併合に関する重要な記録です。世界を実際に見て体験していた、欧米の宣教師や学者は朝鮮で何を観たのか。現代の日韓問題に通じる、非常に重要な論点が当時からすでに語られています。当時の総督府も翻訳して参考にしていたと思われる、貴重な記録が現代に蘇りました。

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