第一の肺癌治療 ─ 早期発見・チーム医療・ロボット手術・肺移植・話題の新薬まで

日本人に最も多い肺癌。その原因の第一は、なんといってもタバコである。周囲に漂う副流煙は、喫煙者自身が吸う主流煙よりもさらに健康に悪いことが分かっている。主流煙を1とした場合、ニコチンは2.8倍、タールは3.4倍、一酸化炭素は4.7倍にものぼる。

自分がタバコを吸わないからといって、肺癌にならないとは限らない。
肺癌にならないための予防法と、その対策を第一人者に聞いた。

第一の肺癌治療 ─ 早期発見・チーム医療・ロボット手術・肺移植・話題の新薬まで

  • 著者:桜の花出版 取材班
  • 価格:790円(税込869円)
  • ページ数:128ページ
  • ISBN-10:4434225103
  • ISBN-13:9784434225109
  • 発売日:2016/10/28
  • サイズ:17.2 x 10.9 x 1.1 cm
  • 発行:桜の花出版/発売:星雲社

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シリーズの紹介

*現代医療を考える

医療は、日進月歩である。
昨日まで助からないと言われた人が、今日には助かる時代になった。

通常困難な手術も名医によって奇跡的に助かる患者がいる一方で、さして難しくもない治療で、医者という名の野巫によって殺される患者もいる。

主治医の誤診で改善しないまま、他の病院を回り、治療薬を貰うも治らないばかりか、ひどい場合は、処方された薬によって致命傷を残し、ショック死を起こしたりするケースもある。

このような医療の現状を鑑み、ここに、明日の医療を切り拓く最新治療を紹介する。

内容紹介

肺癌治療は、手術・放射線治療・抗癌剤の組み合わせの妙が、寿命を決定する。

男性の癌死亡率1位の肺癌で、日本人に最も多い肺癌である。

厚生労働省の発表によると、主な死因別の死亡率において、癌は上昇を続け、1981年以降死因順位の第1位。2014年でも第1位。
特に、男性では、2014年の癌死亡数は21万8397人、死亡率は、男性では人口10万人に対して357・8人です。部位別に死亡率の年次推移をみると、肺癌は一貫して上昇を続けており、1993年には胃癌を抜いて第1位となり、引き続き上昇している。胃癌は1968年をピークに今は横ばい状態だが、肺癌は急速に増え続けている。

今、放射線治療や抗癌剤など、新しい治療法が次々と報道されている。

その中で、何をどう選択したら良いのか?

喫煙者は殺人者!? タバコを吸う人の周りの人が吸う受動喫煙は本人以上に有害!

喫煙者は殺人者!? タバコを吸う人の周りの人が吸う受動喫煙は本人以上に有害!

<はじめに>より引用

国立がん研究センターによると、日本人が最も多く罹る癌が肺癌で、2016年の統計予測では、日本人の77300人が肺癌で死亡すると予想されている。

手術には、大きくわけて「拡大手術」と「縮小手術」の二つがある。拡大手術とは、転移などの可能性を考え、臓器を大きく切り取るものである。縮小手術とは可能な限り臓器を残し、身体の負担を少なくするものである。

肺癌の拡大手術では、転移している「可能性があるから」という理由で肺の三分の一以上が切り取られてしまう。何割とは特定できないが、もしかしたらかなりの人は転移していないかもしれない。最悪の可能性があるからと、大半が切除されてしまう現実は厳しい。それによって一生の生活の質を著しく落とすことになるからだ。しかし、切除しなければ、転移して命を落とす公算が大きい。

患者にとって極めてシビアな選択である。確実に何割かは、転移してないかもしれない。しかし、その人たちも肺の一部を切除されてしまう。

現状においてそれはいたしかたないが、患者としては命と引き換えとはいえ納得がいかない。

肺癌は罹患数でも死亡数でも増加し続けている(国立がん研究センター発表データ)

肺は、肝臓などと違い、切った後の臓器が増殖してもとに戻ることはない。手術後の生活の質は著しく落ちる。一生まともな運動も出来なくなる。若い時の手術であるほど、一生を台無しにすることになる。せめて、もっと積極的に、新薬や放射線治療などの可能性を模索すべきだろう。

その様な中、癌治療の画期的な薬として、免疫チェックポイント阻害薬の「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」が登場し、2015年12月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、16年8月に、根治切除不能または転移性の腎細胞癌に対して承認を取得した。副作用も報告されているが、今後、さらに適応が広がっていくと思われる。しかし、「オプジーボ」が非常に高額なため、それによって医療費が増大し、保険制度が破綻するという懸念も指摘されている。手術は、現時点で、肺癌治療の第一の選択肢ではあるが、患者は手術以外の選択肢を強く求めている。その要望は今後、化学療法や放射線治療の発達をさらにうながすだろう。

しかしながら、現状は手術が第一選択肢であることに違いはない。

そこで、困難な肺移植で日本一の執刀数があり、肺癌治療の最前線に立つ、京都大学医学部附属病院の伊達洋至医師に現状を訊いてみた。

医学の進歩に伴い、今後は益々、選択肢が広がることは間違いない。癌の治療には着実な実績と経験のある外科手術か新薬や内科的治療を選択するのか、難しい判断が患者にも突きつけられている。

インタビューを行なった医師の紹介

伊達 洋至 医師(呼吸器外科) 京都大学附属病院 教授

伊達 洋至 医師(呼吸器外科) 京都大学附属病院 教授

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」番組 2010年10月18日放送「絆を、最高のメスに」に出演

1993年、米国クリーブランドクリニック胸部外科フェロー、
1994年、ワシントン大学胸部外科肺移植フェロー、
2006年、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科腫瘍・胸部外科教授
2007年より、京都大学大学院 医学研究科器官外科学講座 呼吸器外科学教授
約3500例の肺癌などの呼吸器外科手術を経験・日本で初めての生体肺移植を執刀し、日米通算222例の肺移植を経験している。

目次

はじめに

第1章 肺の病気の基礎知識

運動機能で健康寿命が決まる

   男性の癌死亡率1位の肺癌

第2章 肺癌の解説

第3章 伊達洋至 医師へのインタビュー

   最適な治療を内科・外科を超えて検討する
   肺癌手術の最前線
   肺移植への挑戦
   理想の呼吸器外科医とは
   肺癌治療と移植手術の重要な関係

*現代医療を考える

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