安心の脳動脈瘤治療 ― 手術をしないカテーテル治療の最前線 ―

科学の進歩は、医学の進歩に直結している。

今信じられないほど急スピードで、医療技術は進歩し、同じ治るにしても体に負担の少ない治療へと、大転換をしている。

カテーテル治療の進歩が目覚ましく、脳血管外科の治療おいても、画期的な方法、最新ステント「フローダイバーター」による開頭しない脳動脈瘤治療が今後主流になろうとしている。2015年10月から国内開始、保険適応もされる。

安心の脳動脈瘤治療 ― 手術をしないカテーテル治療の最前線 ―

  • 著者:桜の花出版 取材班
  • 価格:790円(税込869円)
  • ページ数:144ページ
  • ISBN-10:4434223194
  • ISBN-13:9784434223198
  • 発売日:2016/8/30
  • サイズ:17.2 x 10.9 x 1.2 cm
  • 発行:桜の花出版/発売:星雲社

「脳ドックの検査を受けたいが、しかし、いざ、脳動脈瘤が見つかっても、頭を開いて手術するのは怖い」とちょっとおかしいぞという症状があっても、そのまま放置している、そんな人に、画期的な新技術の朗報である。心臓などで使われる、細い管状の器具を足などの血管から挿入して行なう「カテーテル手術」が、脳血管外科の分野でも使われるようになった。

本書で紹介する最新ステント「フローダイバーター」は、海外での好成績を受け、2015年10月から、
いよいよ国内の施設で使用が始まった。未破裂動脈瘤を開頭しないで治療する選択肢が加わった。

この最新治療について、兵庫医科大学病院 脳神経外科教授 吉村 紳一医師に尋ねた。岐阜大学医学部卒業後、国立循環器病センター、ハーバード大マサチューセッツ総合病院、チューリヒ大学で腕を磨いた吉村医師は、開頭手術もこの最新カテーテル治療も両方スペシャリストの、日本でも世界でもごく限られた脳外科医であり、現状を熟知する最適な医師である。寿命は自分で作る時代となった。健康なうちに読んでおきたい本である。

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シリーズの紹介

シリーズ≪希望の最新医療≫

*現代医療を考える医療は、日進月歩である。
昨日まで助からないと言われた人が、今日には助かる時代になった。

通常困難な手術も名医によって奇跡的に助かる患者がいる一方で、さして難しくもない治療で、医者という名の野巫によって殺される患者もいる。

主治医の誤診で改善しないまま、他の病院を回り、治療薬を貰うも治らないばかりか、ひどい場合は、処方された薬によって致命傷を残し、ショック死を起こしたりするケースもある。

このような医療の現状を鑑み、ここに、明日の医療を切り拓く最新治療を紹介する。

内容紹介

脳卒中発作は待ったなし、自分も家族も人生が一変してしまう。
「脳ドックの検査を受けたいが、しかし、いざ、脳動脈瘤が見つかっても、頭を開いて手術するのは怖い」とちょっとおかしいぞという症状があっても、そのまま放置している、そんな人に、画期的な新技術の朗報である。

心臓などで使われる、細い管状の器具を足などの血管から挿入して行なう「カテーテル手術」が、脳血管外科の分野でも使われるようになった。

本書で紹介する最新ステント「フローダイバーター」は、海外での好成績を受け、2015年10月から、いよいよ国内の施設で使用が始まった。
未破裂動脈瘤を開頭しないで治療する選択肢が加わった。

この最新治療について、兵庫医科大学病院 脳神経外科教授 吉村 紳一医師に尋ねた。
岐阜大学医学部卒業後、国立循環器病センター、ハーバード大マサチューセッツ総合病院、チューリヒ大学で腕を磨いた吉村医師は、開頭手術もこの最新カテーテル治療も両方スペシャリストの、日本でも世界でもごく限られた脳外科医であり、現状を熟知する最適な医師である。
寿命は自分で作る時代となった。健康なうちに読んでおきたい本である。

脳動脈瘤の新しい治療器具フローダイバーター

脳神経外科領域で2015年10月より国内でも治療開始された、カテーテル治療で使われる最新ステント「フローダイバーター」
脳神経外科領域で2015年10月より国内でも治療開始された、カテーテル治療で使われる最新ステント「フローダイバーター」

脳神経外科領域で2015年10月より国内でも治療開始された、カテーテル治療で使われる最新ステント「フローダイバーター」

<はじめに>より引用

医師が患者に長時間の大手術をして誇る時代は終わろうとしている。脳の血管や心臓に病気が見つかった場合、傷が小さく短時間で終わるカテーテルという血管内治療が現在では主流になりつつある。

例えば、脳の血管にできるこぶ、脳動脈瘤がある。最悪の場合、血管が破裂して、くも膜下出血を起こす。患者は小さな脳動脈瘤があると診断されただけでも、いつ破裂するかわからない危険の中で生活をしなければならない。その精神的な負担は本人も家族にとってもとても大きい。その対処法として医師から外科手術を薦められても、「開頭手術」と聞いただけで恐ろしくなってしまい、決断ができずに結局は放置してしまう患者が多い。

最新ステントを脳動脈瘤がある入れておくと(図a,b)脳動脈瘤への血流が抑えられ自然に脳動脈瘤が消滅する(図c→d)
最新ステントを脳動脈瘤がある入れておくと(図a,b)脳動脈瘤への血流が抑えられ自然に脳動脈瘤が消滅する(図c→d)
最新ステントを脳動脈瘤がある入れておくと(図a,b)脳動脈瘤への血流が抑えられ自然に脳動脈瘤が消滅する(図c→d)
最新ステントを脳動脈瘤がある入れておくと(図a,b)脳動脈瘤への血流が抑えられ自然に脳動脈瘤が消滅する(図c→d)

最新ステントを脳動脈瘤がある箇所に入れておくと(図a,b)脳動脈瘤への血流が抑えられ自然に脳動脈瘤が消滅する(図c→d)

しかし、それはもう過去のことである。カテーテル治療は手術することなく、足や腕の血管から、細い管を通してくも膜下出血などを未然に防ぐものである。近年、日本でも急激に治療実績が増え、安全性が立証されて、現実的な選択肢となった。現代の医療は数年後さえも想像できないほど、凄まじいスピードで進歩している。

今回、インタビューした吉村紳一医師は、そのカテーテル治療と従来の開頭手術の両方を操る、日本ではまれなハイブリッド脳外科医だ。両方の利点・欠点を熟知する脳外科医として、この治療法の解説を訊くのに最適な医師である。

今 の医療現場では、いかに患者の身体に負担をかけずに、治療を終わらせるかということがテーマとなっている。その流れがついに脳血管外科まで及んできたとい うことである。病気になっても慌てることなく、できるだけ身体の機能を温存して、医療の進歩を待ってから治療を選択するのも一つの方法である。

吉村紳一医師(右端)は後進の教育に力を入れ、他大学から多くの研修医を受け入れている

吉村紳一医師(右端)は後進の教育に力を入れ、他大学から多くの研修医を受け入れている

インタビューを行なった医師の紹介

吉村紳一兵庫医科大学脳神経外科主任教授

吉村 紳一 医師

兵庫医科大学病院 脳神経外科教授

1989年 岐阜大学医学部卒業
1992年 国立循環器病センター脳神経外科
1995年 岐阜大学大学院卒業
1999年 ハーバード大マサチューセッツ総合病院
2000年 チューリヒ大学脳神経外科臨床研修員
2004年 岐阜大学脳神経外科 助教授
2013年 兵庫医科大学脳神経外科 主任教授

専門分野
脳神経外科全般/脳神経外科的手術/脳血管内手術
開頭手術・・・脳動脈瘤クリッピング術/脳血管バイパス術他
カテーテル治療・・・脳動脈瘤コイル塞栓術/頚動脈ステント留置術/最新治療フローダイバーター 他

目次

◆第1章 命にかかわる脳の病気

脳卒中とは
こんな時は脳卒中を疑う
脳卒中の症状は体の片側に
前触れや警告発作
すぐに救急車を呼ぶ
意識がある時、ない時の対処法
病院ではどんな検査や治療をするのか
脳梗塞は早期治療が最重要
脳卒中にならないための予防法
脳卒中予防の意義
脳ドックで脳の健康チェック

◆第2章 吉村紳一医師へのインタビュー

◇開頭しない脳動脈瘤治療の最前線

脳動脈瘤の最新治療、最新ステント「フローダイバーター」
開頭する「クリッピング術」
開頭しないカテーテル治療「コイル塞栓術」
カテーテル治療の新たな選択肢「フローダイバーター留置術」
まだ改良の必要あり
新型ステント・フローダイバーターは破裂動脈瘤には使えない!?
開頭手術とカテーテル治療を比較する大規模臨床データ
開頭手術よりカテーテル治療に軍配
脳梗塞におけるカテーテル治療

◇患者が知っておくべきこと

治療の利点や欠点の両方を知る    
自分の専門領域以外の判断については専門家に任せるべき
脳動脈瘤の破裂リスクと手術するリスクを検討
未破裂動脈瘤のリスクをどう考えるか
高齢の患者さんは5年単位で要検討
手術しない患者さんでも家族の人に説明を同席してもらう
死への恐怖が予防医療に向かわせる
運ばれた病院で受ける手術が違ってくる
くも膜下出血について
きめ細かい術前チェックが必要
異物を脳内に入れる危険性について
脳腫瘍と脳血管の治療では医師が分かれる

◇海外との比較と今後の展望

海外と日本の専門領域の違い
欧州には開頭手術ができる医師がいないエリアもある
他の国に比べて日本は医療面で恵まれている
アメリカでの脳梗塞の救急体制
脳外科もセンター化が必要
日本の医療レベルは質が高い
欧州は実験的治療(治験)の導入が早い
放射線治療との連携
医師が受けたいのは放射線が7割で、手術が2割という現実
どうして医者になったのか
カテーテル治療との出会い

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