カトリック教会の思想にあったユダヤ人迫害の起源

私は以前に、ジェームズ・キャロルという人が書いた『コンスタンティヌスの剣(原題:Constantine's Sword)』という本を読みました。

カトリック教会には、カトリック教徒が新たな選民として古代のイスラエル人に取って代わったという考えがあります。これをキャロル達は、supersessionism と呼んでおり、同書はこの考えについて書かれたものです。 (問題作、『コンスタンティヌスの剣』は、二〇〇一年に米国で出版された。ジェームズ・キャロル氏は米紙『ボストン・グローブ』のコラムニスト。本書はキリスト教の反ユダヤ主義の歴史を躊躇することなく率直に語ったもので、ユダヤ教側、キリスト教側双方から賛否両論が湧き起こった)

要するに、カトリック教徒は、神によって新たに特別な民として選ばれ、イスラエル人に優り、彼らを脇に追いやったというのです。

カトリック教会の教えを信奉しているキャロルは、この本の中で、カトリック教会にある、この反ユダヤ主義の教えの歴史を辿っていきました。

すると、この教えがついにはナチズムとホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の出現に貢献したという事実に行き当たったといいます。

かつて、カトリック教会は彼らの啓典を導き出しました。この啓典とは、私達ユダヤ人が『キリスト教の啓典』と呼んでいるもの、つまり、彼らが言うところの『新約聖書』のことです。

そして、その啓典の中に、彼らは、カトリック教会がイスラエル人に取って代わったという考えを埋め込んだのだ、とキャロルは主張しています。

また、そのためにキャロルは「新約、旧約」という表現に異議を唱えています。

さて、カトリック教会は自分達が古代イスラエル人に取って代わったとしましたが、それならば何故ユダヤ人はまだいるのだろうかと彼らは考えました。

ユダヤ人が神によって脇に追いやられたというのなら、ここにいるはずはありません。そこで、カトリック教会の初期の思想家達、特に聖アウグスティヌスは次のように考えました。

神はユダヤ人をこの世に残し、常に下層の地位にいるようにされ、そして、ユダヤ人は彷徨い続け、決してキリスト教徒を自分達の下にするということはないというのです。

そのため、他の人々と同様の仕事に就くことは許されず、同様の権利を持つことや、利益を得ることも認められませんでした。

ユダヤ人が存在するのは、イエスを受け入れなかった者がどうなるかを示すためなのです。

このような考え方、つまり「自分が正しいのだから、お前が間違っている」という考えが長い間通用し、そのために、カトリック教会とユダヤ人との関係はおかしなものになってしまいました。そして、この考えは一〇九五年に始まる十字軍以来、ユダヤ人に対する迫害へとつながっていきました。

カトリック教会には「イエスを信じない者達と戦う」という考えがありますが、そのためにイスラム教徒のいるパレスチナにわざわざ行かなくても、その場にいるユダヤ人達と戦えばよいとしたのでした。

ユダヤ人に対する暴力はこのようにして始まり、そして、それは時代と共にどんどんとひどいものになっていき、また、人々のユダヤ人に対する考え方に影響していきました。

そして、ヒトラーが現れ、ユダヤ人について訴えた時、それは多くのキリスト教徒の心に響いたのです。何故なら、彼らは常に、ユダヤ人が劣った民族であり、悪であると教えられてきたからです。もちろん、これらのことはユダヤ教の教えにはありません。


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