奇跡の放射線治療 ― 脳腫瘍・頭頸部癌・肺癌・乳癌・食道癌・肝細胞癌・膵臓癌・前立腺癌・子宮頸癌・悪性リンパ腫 ほか ―

切らずに癌を治したい人、必読!
身体にやさしい新しい放射線治療の最前線を紹介。
放射線治療の基本的解説と、治療実績のあるエックス線を使いより副作用が小さい「強度変調放射線治療(IMRT)」を詳しく紹介。保険適応で、癌に集中的に放射線を照射し、正常部位への放射線量を抑制して、癌の治癒率を高めた最新技術である。

インタビューした徳植公一医師は、東京医科大学放射線科主任教授で癌の放射線治療のエキスパート。

奇跡の放射線治療 ― 脳腫瘍・頭頸部癌・肺癌・乳癌・食道癌・肝細胞癌・膵臓癌・前立腺癌・子宮頸癌・悪性リンパ腫 ほか ―

  • 著者:桜の花出版 取材班
  • 価格:790円(税込869円)
  • ページ数:128ページ
  • ISBN-10:4434201425
  • ISBN-13:9784434223013
  • 発売日:2016/8/7
  • サイズ:17.2 x 10.9 x 1.1 cm
  • 発行:桜の花出版/発売:星雲社

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シリーズの紹介

シリーズ≪希望の最新医療≫

*現代医療を考える

医療は、日進月歩である。昨日まで助からないと言われた人が、今日には助かる時代になった。同じ手術でも、医者という名の野巫によって殺される患者もいれば、名医によって奇跡的に助かる患者もいる。

主治医の誤診で改善しないまま、他の病院を回り、治療薬を貰うも治らないばかりか、ひどい場合は、処方された薬によって致命傷を残し、ショック死を起こしたりするケースもある。

このような医療の現状を鑑み、ここに、明日の医療を切り開く最新治療を紹介する。

内容紹介

身体にやさしい新しい放射線治療の最前線を紹介する。

現在、放射線治療は、手術をできるまでに癌を小さくしたり、再発予防も含め、脳腫瘍・頭頸部癌・肺癌・乳癌・食道癌・肝細胞癌・膵臓癌・前立腺癌・子宮頸癌・悪性リンパ腫ほか幅広く用いられている。

本書『奇跡の放射線治療』では、放射線治療の基本的解説と、治療実績のあるエックス線を使いより副作用が小さい「強度変調放射線治療(IMRT)」を詳し く紹介。保険適応で、癌に集中的に放射線を照射し、正常部位への放射線量を抑制して、癌の治癒率を高めた最新技術である。

一回の治療が15分くらい、それもほとんどがセットアップの時間で、実際に照射されているのは5分くらい、癌ができた部位によって違うが、約6~8週間かけて照射するという。

この他、エックス線以外の陽子線や重粒子線を使った新しい放射線治療の長所・短所や、放射線でなぜ癌が治るのか、被曝のリスクといった基本的な疑問にも、分かりやすく回答している。

患者さん一人につき平均5個作られる

患者さん一人につき平均5個作られる

インタビューした東京医科大学放射線科主任教授・徳植公一医師は、東京大学工学部産業機械工学科卒業後、大阪大学医学部に入学、医学の道に進み、卒業後、国立がんセンター放射線治療部、筑波大学陽子線医学利用研究センターを経て、2008年に東京医科大学放射線科主任教授に就任。癌の放射線治療のエキスパート(日本医学放射線学会放射線治療専門医)である。

<はじめに>より引用

放射線治療の進歩は目覚ましい。以前は癌の三大治療の一つとして補助的な役割であったものが、最近は手術と同等の治療実績をあげている。すでに欧米では癌患者の半数以上が放射線治療である。

放射線治療が世界的に増えた理由は単純明快で、身体への負担が圧倒的に少ないためだ。放射線の副作用も当然あるが、外科手術で全身麻酔をした上、臓器を切ることに比べれば、痛みが少なく身体の回復も早い。時代がより低侵襲治療に向かう中でいま、放射線治療がさらに発展していくことは間違いない。

放射線治療といっても、種類や方法が増え、より専門的になっている。今回、徳植公一医師には、患者の立場から、「そもそも放射線とは何か、なぜ放射線で癌が死滅するのか」という基本的な知識から話を伺った。そして、安全でより有効な新しい治療法である『強度変調放射線治療(IMRT)』について解説をお願いした。

IMRTは今までの治療よりも、患部(腫瘍)だけに放射線を集中させ、他の部分には極力放射線を当てないようにできる、画期的な治療法である。

強度変調電子線治療の計画

強度変調電子線治療の計画

強度変調電子線治療ー皮膚表面に這うように進展している有棘細胞癌でいびつな形状の腫瘍に対して均質に照射されている

強度変調電子線治療ー皮膚表面に這うように進展している有棘細胞癌でいびつな形状の腫瘍に対して均質に照射されている

強度変調放射線治療で腫瘍に集中的に放射されている様子

強度変調放射線治療で腫瘍に集中的に放射されている様子

放射線の最新技術である強度変調放射線治療で使われる補償フィルター

放射線の最新技術である強度変調放射線治療で使われる補償フィルター

インタビュー中、徳植医師に「理想とする放射線医とは」と訊くと、間髪を入れずに「他の医師、スタッフと連携が取れることです」という言葉が返ってきた。

特に放射線科は医学物理士などとの連携が不可欠な上、時に外科と連携して、手術前後に放射線を照射し、時に腫瘍内科と連携し、抗癌剤との併用などを行なう。

放射線治療は「最新の設備と人間的な連携」が一体となって最大限の力が発揮されるという。それができるのが良い放射線治療医の条件ということである。

東京医科大学放射線科―放射線治療はチーム医療

東京医科大学放射線科 放射線治療はチーム医療

インタビューを行なった医師の紹介

徳植 公一 医師 (放射線科)

徳植 公一 医師 (放射線科)

東京医科大学病院主任教授

1976年 東京大学工学部産業機械工学科卒
1981年 大阪大学医学部卒業
同年同大学第二内科、国立がんセンター放射線治療部を経て、筑波大学陽子線医学利用研究センター勤務の後、2008年に東京医科大学放射線科主任教授に就任。

日本医学放射線学会放射線治療専門医
日本放射線腫瘍学会認定医
第一種放射線取扱い主任者
日本医学放射線学会・日本癌治療学会・日本放射線腫瘍学会・米国放射線腫瘍学会 所属

目次

第1章 放射線治療の得意分野

いろいろな癌治療を組み合わせ効果を上げる
放射線治療の長所
放射線治療の目的
放射線を当てて癌が死滅する仕組み
放射線治療がよく効く癌と放射線治療の種類
知っておくべき副作用
ピンポイント化が進む放射線の最新治療
知っておきたい、放射線治療を支えるチーム
一番身近なエックス線を使った検査
癌の予防

― 東京医科大学放射線科主任教授・徳植公一医師へのインタビュー ―

第2章 最新の放射線治療

新しい癌の放射線治療、強度変調放射線治療(IMRT)
患者さんに合わせて作る強度変調放射線治療の補償フィルター
厚労省の施設基準を満たす病院のみが導入可能
特殊な乳癌(内胸動脈リンパ節)にも活用
正常組織への放射線照射を極力減らす
エックス線と電子線のコンビネーション治療を計画
癌治療の第一選択は外科手術
サイバーナイフとの比較
呼吸機能が悪く手術不可能の人も治療できる可能性
粒子線治療について

第3章 放射線に対する正しい知識を

最初に行く診療科で患者の治療方針が決まる
ドクターショッピングで治療が遅れてはいけない
放射線で癌が治る理由
治療効果と被曝リスクの比較
チェルノブイリ原発と福島原発の違い
放射線の不思議な可能性
放射線の単位を知っていますか?
矛盾している放射線の管理
PET検査と医療被曝の問題
話題の新薬、免疫チェックポイント阻害剤について

第4章 これからの放射線治療

欧米では多い放射線の術前照射
ストロンチウム89、ラジウム223の新しい治療法
放射線科医を目指した理由

*現代医療を考える

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