日本時代の遺産

日本というと、今でも台湾では褒め言葉になっています。日本的だねと言うと、約束を守るとか、義理堅いとかいう意味です。でも残念ながら、今の日本はもう当てにならないと、つくづく思います。

というのは、私が嘉義の文化センターにある音楽ホールの建築を監督した時のことです。私は日本のある建築士と組んで仕事をしたんです。金額も合意していたんですが、いざ仕事を始めたら、後になって「これは金額に入っていない」「これも入ってない」と言うんです。私も腹が立って、なぜ今頃になってそんなことを言うんだ、と。あといくらいるのか、と聞く気にもなりませんでしたよ。おまえ、それでも日本人か、と言って、ああもういい、結構ですって電話を切りました。後で、日本の他の会社と組んで完成させましたが。

こういうビジネスのやり方は、世界中どこにでもあります。中国でもそうですし、アメリカなんかでもそうです。でも、昔の日本時代には、そんなことを言う日本人はいませんでした。そんなふうに約束を反古にするような人間はいなかったものです。つくづく、日本人から誇りが無くなってしまったなと思います。

武士の精神もそうです。武士に二言は無いわけですから。一度、それでよしと言ったものを、自分の計算違いで、これでは商売が成り立たないと分かっても、約束した以上、それは引き受けるのが当然のことだと、日本の教育を受けた私達は思うのです。


良医情報アンケート

桜の花出版

桜の花出版のご案内

東京都町田市中町1-12-16
アイケーブリック 401
TEL : 042-785-4442
FAX : 042-785-4424
営業時間 : 9時30分-17時
定休日 : 土日祝日
RSS Facebook Twitter